フランス統治時代(1887〜1945)の植民地政策で、輸出用のコメの増産が図られ、広大なマングローブ林が水田に転用されました。そして、ベトナム戦争(1962〜1972)で、アメリカ軍が南ベトナム解放戦線ゲリラの拠点であるという理由から、大量の枯葉剤を散布されたことにより、マングローブの森はほぼ全てが破壊され、この10年間の戦争で散布された延べ面積は、1,732万ヘクタール。実に日本の国土の約40%に相当します。その後、戦後復興や人口増加に伴う建材、燃料などの確保や堤防建築(土と石で造る堤防の強度を増すためにマングローブの木や枝を大量に埋め込む)、塩田の開発などで、戦後のマングローブ林の破壊も急速にすすみ、80年代からベトナム政府が外貨獲得のために奨励したエビ養殖の影響もマングローブ林の破壊に拍車がかかりました。
そこで、ベトナム政府や地域住民、ボランティア、NGO団体などの積極的な植林事業によって現在は、豊かなマングローブの群生地として再生されています。
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